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西側花壇再生プロジェクト5 「花壇のパラサイトが夏の茶花の主役だった件」

風が種を運び、いつの間にか植物が根を下ろすことがあります。植栽したおぼえのない、その木の種は、風に乗って、当苑の西側花壇の隅っこにたどり着き、少しずつ育っていたようです。冬の間は落葉していたため存在感が薄く、その独り生えの木には、気がつきませんでした。
 4月頃から少しずつ枝が伸び始め、いつの間にか樹高が2メートルを超えて、いくつか蕾(つぼみ)をつけました。「どんな花だろう?」と眺めているうちに開き始めたのは、純白の花びらに中心がポッと赤く染まった底紅(そこべに)の一重咲き。それでようやく、花壇の隅っこの居候の正体が「宗旦木槿(そうたんむくげ)」だと分かりました。茶道の世界では「冬は椿、夏は木槿」と言われるほど格の高い花です。千利休の孫・千宗旦(せんのそうたん)が愛したことからその名がつき、朝に咲いて夕方にはしぼむ「一日花」の潔さが、「一期一会」の精神に通じるとされています。
 しかし、当苑の花壇の隅に居座った宗旦木槿は、そんな伝統や格式などどこ吹く風。
午後からの強烈な西日をまともに浴びながら、19時すぎの遅い日没が過ぎても、数少ない花を凛と咲かせ続けています。普通なら西日でクタクタになりそうですが、2メートル超えの堂々とした姿に宿ったタフな生命力で、真夏の夕陽を楽しんでいるかのようです。茶道の厳格な美意識からは外れるかもしれませんが、昼の熱気が引き、昼と夜の「あわいのとき」が訪れる薄暮の中、白い花がぽうっと浮かび上がっている姿は、なかなか風情があっていいものです。

なーんて、茶道と木槿のちょっといい話をしてみましたが、私は茶道の心得はありません。
飲む専門です(笑)。当苑にお越しの際は、花数は少ないですが、その姿を眺めて行ってください。
To be continued…